礼拝メッセージ(2017年12月17日)
12月17日(日)10:30~
主日礼拝 「神様のイニシアチブ」 林健一牧師
ルカによる福音書1章39~56節
天使ガブリエルから「あなたは身ごもって男の子を産む… その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる」と神様のご計画を告げられたマリアは戸惑いと不安を感じつつも受け入れる決心をします。しかし、天使ガブリエルが去りひとり残されたマリアは何を思ったのでしょう。「本当に神様がそう言われたのだろうか?」信じきりたいと思いつつもマリアの心には疑いや不安、孤独でいっぱいだったに違いありません。人間とは何と弱い存在なのでしょう。「神にできないことは何一つない。」と「本当にそうだろうか」との間を揺れ動いているのです。神様が今すぐにでも結果を見せてくれたらと思う私たちであります。
どうも、神様は私たちが願うようになさらないお方のようです。神様は私たちが頭で神様の導きを理解するのではなく、一歩一歩確実に体で神様の導きと恵みを味わうことができるように導かれるのです。マリアはこの後、「急いで山里に向かい」(1:39)エリサベトを訪ねていきました。神様の言葉どおりかを確かめるためです。ここにマリアの信仰のすばらしさを見ることができます。マリアは不安と恐れのなかにとどまるのではなく神様の恵みを確かめようと一歩前にふみ出したのでした。神様の見えざるマリアへの導きがここにあると思います。ただ言葉だけでなく「行って、見てごらん。確かに神様が働いているのが見えるよ」と導いているのです。
マリアがエリサベトに挨拶をすると、驚くことにそのお腹の子が喜び踊り聖霊に満たされたエリサベトは喜びの声を上げます。エリサベトの口から出てきた言葉はマリアとお腹の子への祝福と主の言葉を信じた者の幸いを称えるものでした。この出会いをとおしてマリアは「神にはできないことは何一つない」ということを確信したのではないでしょうか。「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。」(2:47)神様が私に大いなることをしてくださった。主の愛でいっぱいに満たされたマリアは力強く神様を賛美するのです。
私たちは「私が~する。できる。」という価値観のもとに縛られているように思います。しかし、神様のイニシアチブに生きる私たちは「神様が私に大いなることをしてくださった」ことに歩む者であります。クリスマスを迎えるにあたり神様が私になしてくださった大いなる恵みの出来事を思い起こし、感謝していこうではありませんか。(林)