礼拝メッセージ(2022年9月18日)
『 数えてみよ主の恵み 』
小平公憲 神学生(東京バプテスト神学校専攻科・横浜ニューライフバプテスト教会)
創世記 22章:16節~18節
22章 16節:御使いは言った。「わたしは自らにかけて誓う、と主は言われる。あなたがこの事を行い、自分の独り子である息子すら惜しまなかったので、
22章 17節:あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。あなたの子孫は敵の城門を勝ち取る。
22章 18節:地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」
創世記 22章:16節~18節(新共同訳)
「あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、…中略…地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。」これは有名なアブラハム契約です。
今月の9月1日は関東大震災からちょうど100年目です。私の祖母は女学生でしたが、山梨の自宅が倒壊し東京に移住しました。当時の新宿駅前は街灯1本だけの広場で、暗い夜道を歩くことも難しかったそうです。その時に比べると、私たちの生活は、なんと豊かになったことでしょう。豊かな生活を顧みる時、神様はアブラハム契約を忘れていないことを、感じざるを得ないのです。
アブラハムは神様にサラとのひとり子イサクを捧げるように言われます。息子を失う現実と、神様に聞き従う信仰の狭間で、アブラハムは信仰を選び取ります。この姿を見た神様はアブラハムを祝福し、アブラハム契約を結びます。九死に一生を得たイサクとアブラハムの関係を通して、神様は全世界を祝福したのです。
同じような話が、聖書には沢山述べられています。一番弟子のペテロはイエスが捕らえられた後、イエスを三度否定しました。彼は信仰より現実を選び取ってしまったのです。しかし、イエスは復活し、ペテロとの関係も回復します。ペテロ自身も生まれ変わり固い信仰に支えられ、その後の人生は言わずもがなです。回復したイエスとペテロの関係から、今のキリスト教や教会が発展してきたのです。
現代の私たちは、教会の高齢化や衰退する教会などの現実を前に、信仰が打ちのめされてしまうことがよくあります。しかし、聖書にあるように、神様は絶体絶命の中からも、人々を回復させてくださるのです。今くらい、現実と信仰の狭間で、信仰を選び取る力が試されているときはないのです。なくなるものを数え、現実を嘆くのではなく。あるものを数え感謝し、希望をもって回復を待ち望む信仰の姿勢こそ大切ではないでしょうか。なぜなら、神様は今でもアブラハム契約を忘れてないからです。