礼拝メッセージ(2023年1月29日)
『 神が近づいている 』 林健一 牧師
ルカによる福音書 21章:29節~33節
21章 29節:それから、イエスはたとえを話された。「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。
21章 30節:葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。
21章 31節:それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい。
21章 32節:はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない。
21章 33節:天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」
ルカによる福音書 21章:29節~33節(新共同訳)
先週は、世の終わりとその時に起こる人の子イエス・キリストの再臨について学びました。そして世の「終わり」とは言うものの、実際は世が消滅してしまうのではなくて、使徒言行録3章21節に記してあるとおり、「万物が新しくなるその時」、という出来事であるということ、またクリスチャンとっては試練や迫害から「解放される、贖われる」時であるということを、前回は学びました。今日の29節~33節は、この「世の終わり」に対する私たちの姿勢について教えているところです。
本日の29節以下において主イエスさまは、身を起こして頭を上げつつ、忍耐して信仰の戦いを戦い抜いていく私たちのための勧めを語って下さっています。主イエスさまは一つのたとえによってその勧めを語られました。「いちじくの木や、ほかのすべての木」を用いてのたとえです。主イエスさまは、葉が茂ってきたら夏が近いのを知るのと同じように、これらのことが起こるのを見たら神の国が近づいていると悟りなさい、とおっしゃったのです。神の国、それは神さまのご支配という意味です。この神の国の到来というのは、主イエスさまの宣教の中心テーマです。神の国というのは、神が治め給うところ、という意味です。神さまに従う神の民のいるところに神の国は現れます。皆さんが神に従い、神と共に生きるとき、そこに神のご支配、導きがあり、神の国が現れてくるのです。
32節には、「はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない」とあります。33節「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない」。このみ言葉によって主イエスさまは、身を起こして頭を上げ、忍耐して信仰の戦いを戦い抜きなさいという勧めの最も根本的な根拠を示しておられるのです。ここで主イエスさまは、ご自分の再臨の時まではこの時代は滅びない、この世が終わることはない、と言っておられるわけですが、それは逆に言えば、主イエスさまの再臨によってこの世は終わり、天地は滅びる、ということです。
ここで主イエスさまは、最後に「わたしの言葉は決して滅びることがない」と言われました。これは、主イエスさまの言葉、そして神の言葉がこの世界の終わりを超えて真実であり続けるということです。わたしたちは移りゆくこの世にあって、変わることのない真実な神の言葉によって支えられ生きていくのです。わたしたちが生きていく中でいろいろなものが揺らぎ、過ぎ去っていきます。しかし、わたしたちの救い主イエス キリストは、決して滅びることのない真実な言葉を、そして決して過ぎ去ることのない本当の救いを与え続けていてくださいます。