礼拝メッセージ(2023年6月4日)
『 渇くことのない命の水 』
石井努 牧師
ヨハネによる福音書 4章:7節~15節
04章 07節:サマリアの女が水をくみに来た。イエスは、「水を飲ませてください」と言われた。
04章 08節:弟子たちは食べ物を買うために町に行っていた。
04章 09節:すると、サマリアの女は、「ユダヤ人のあなたがサマリアの女のわたしに、どうして水を飲ませてほしいと頼むのですか」と言った。ユダヤ人はサマリア人とは交際しないからである。
04章 10節:イエスは答えて言われた。「もしあなたが、神の賜物を知っており、また、『水を飲ませてください』と言ったのがだれであるか知っていたならば、あなたの方からその人に頼み、その人はあなたに生きた水を与えたことであろう。」
04章 11節:女は言った。「主よ、あなたはくむ物をお持ちでないし、井戸は深いのです。どこからその生きた水を手にお入れになるのですか。
04章 12節:あなたは、わたしたちの父ヤコブよりも偉いのですか。ヤコブがこの井戸をわたしたちに与え、彼自身も、その子供や家畜も、この井戸から水を飲んだのです。」
04章 13節:イエスは答えて言われた。「この水を飲む者はだれでもまた渇く。
04章 14節:しかし、わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る。」
04章 15節:女は言った。「主よ、渇くことがないように、また、ここにくみに来なくてもいいように、その水をください。」
ヨハネによる福音書 4章:7節~15節(新共同訳)
そのサマリアの女に「水を飲ませてください」と声をかけられたのです。女は驚いてしまいます。見知らぬ男が女に声をかけることなどありえなかったからです。しかも、同じ器から「水を飲ませてください」と言うのです。ユダヤ人として、異教の女に話しかけるなどそれだけで汚れるとされているのに、ありえなかったことなのです。けれど、イエス様は声をかけられました。それは、この女の中にこの人を苦しめている「渇き」を見出しておられたからなのでしょう。自分が水を乞う、「飲ませてください」と懇願するまでにご自分を低くされて近づかれたのです。
イエス様はこの女に、「命の水」について話されました。「もしあなたが、神の賜物を知っており、また、『水を飲ませてください』と言ったのがだれであるか知っていたならば、あなたのほうからそれを下さいと願い出るに違いない。と言われたのです。この声掛けが、サマリアの女に生きた水と出会う機会を生むことになったのです。サマリアの女は初めイエス様の言葉を理解できませんでした。誤解していたのです。彼女は「生ける水」と言われて普通の湧き水のようなものを想像していたのです。今ここにある井戸、ヤコブの井戸ではない別の井戸の事を言っているのではないかと思ってしまったのです。それでも、彼女の中に何かが見え始めていました。「この水を飲む者はだれでもまた渇く。しかし、わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る。」決定的な言葉でありました。彼女の心に何かを求めている自分が見えてきたのかもしれません。「主よ、渇くことがないように、また、ここにくみに来なくてもいいように、その水をください。」この時、水を求められる側から水を求める側に変わっていったのです。それは、イエス様の声掛けゆえに始まったことです。
「行って、あなたの夫をここに呼んで来なさい」このサマリアの女には、何人もの男と結婚・離婚を繰り返した過去がありました。不幸な生活を繰り返しながら、彼女は何を探していたのでしょうか。身の置き所のない日々の中で何かを必死に探していたのではないでしょうか。彼女が「命の水」の事を知り、また、目の前のお方、イエス様が救い主であることを信じるようになるには、自分状態を見つめる時が必要だったのです。それゆえに、夫の話をされたのです。サマリアの女は、本当の神様に祈りたかったのだと、気づかされたのでしょう。
その私の渇きが癒やされるとき、それはメシアと会えた時。「婦人よ、わたしを信じなさい」イエス様は応えてくださいました。「それは、あなたと話しているわたしである。」真の神である父を礼拝する。その時が今来た。あなたもそこに生きるようになる。どうしても見いだせなかった本当の安らぎ。真実の神様を神の下さった霊と共に礼拝する以外に神の子たちの幸せはない。人間の魂の渇きが癒やされるときは、救い主イエス様にお会いできた時なのです。こうして、主イエスの存在と言葉が女の渇きを癒したのです。請わくことのない命の水は、わたしたちの目の前にあります。わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る。イエス様の御声が聞こえるでしょう。