心をなくしてしまった社会
進撃の巨人が何年か前に流行った。人間を食べる巨人たち。彼らは本能のままに人間を食べることだけを求めていく。「なぜそういうことをするの」に彼らの答えはないのだ。彼らの姿は現代の社会の姿を反映しているように思う。他者の痛みや苦しみに共感することを捨ててしまった社会。これが神さまを捨てた世界なのだと思う。神さまははじめから知っていたのかもしれない。神さまを捨てることは人間として大切なものを捨ててしまうこと、捨ててしまった世界で生きることは心を捨ててしまうことなのだと。欲望のまま、本能のままに生きる私たちになってしまうことを。私たちは自分に痛みや苦しみを受けてはじめて今生きている世界、人生に疑問を持つようになる。そして神さまに叫ぶようになる。そこまでならなければ私たちは気づかないのだ。それほどこの世界の罪は恐ろしい力を持っているのだ。