礼拝メッセージ(2020年12月6日)

『 死の陰に輝く光 』 イザヤ書 8章:22節~9章:6節  林健一 牧師

 アドヴェント第2週を迎えました。父なる神さまは主イエス・キリストを私たちのもとへお送りくださいました。このお方によって私たちに何がもたらされたのでしょうか。今日、一緒に読みましたイザヤの預言は苦しみの中にいたイスラエルの民に新しい時代の到来を告げます。神さまがお送りくださったひとり子である主イエス・キリストによってもたらされるのです。預言者イザヤは来るべき救い主メシアについて預言しています。そしてこの主イエス・キリストこそがイスラエルの人々が直面していた苦しみの答えであり、また、すべての人類の希望です。主イエス・キリストの誕生によって苦しみの人生がどのように変えられるかを、預言者イザヤは預言しています。

1.過去に苦しみを受けていた人々(イザヤ8:23~9:1)
ゼブルンとナフタリの地は、イスラエルの領土の北に位置しています。この地域は、主イエスさまの時代にはガリラヤ地域に属していました。ダビデ以降のイスラエルの中心はエルサレムでした。エルサレムは、ユダヤ人たちの信仰の中心地であり、政治の中心地で、すべての富と学問と芸術が集中していました。これに比べて、ユダヤの国のなかでもガリラヤ・ナザレという北の地域はいつも敵の侵略にさらされている辺ぴなところでした。彼らは苦しみの人生の中にいて、まさにやみの中を歩んでいました。それが彼らの過去です。

2.苦痛を受けていた人々のその後(イザヤ9:2~4)
 しかし、彼らのその後は完全に異なります。彼らに大きな光が照らされ、闇はなくなりました。虐げる者は去り、喜びがあふれました。常に敵の侵略によって略奪されていた彼らは、収穫の喜びや戦利品を分ける時のように祝い、楽しみました(9:2)。これは父なる神さまによる偉大な逆転です。神さまの偉大なる御手によって私たちの人生にも偉大なる逆転がもたらされたのです。これこそ、すべての人が待っている福音です。この世の人々は、罪による苦しみや人生の重荷にあえいでいます。罪とこの世の力の下で、闇の中で生きているのです。しかし、すべての鎖は断ち切られ、喜びと平和が臨みました。預言者イザヤは虐げる支配者たちによる苦しみの中にあるイスラエルの人々に「ミディアンの日」(士7~8章)に起きた出来事を引用して神さまの救いを告げられます。この偉大な逆転の中心に、イエス・キリストの誕生があります。

3.主の熱心が成し遂げること(イザヤ9:5~6)
 神さまは、苦しみの中にいる人々のために、ひとり子を与えてくださいました(9:6)。その子の肩に権威があり、「驚くべき指導者(不思議な助言者・驚くべき助言者・ワンダフル・カウンセラー)、力ある神(勇士であられる神)、永遠の父、平和の君」です。その方の前ですべての敵はひれ伏し、ダビデの王座に着き、正義によって国を永遠に治められます。この方こそイエス・キリストです。主イエスさまは神の国を建てられ、民を平和(シャローム・神の秩序の回復)の中に住まわせます。これらすべての偉大な救いの働きを成し遂げる方は神さまです。「クリスマス」主イエス・キリストの誕生とその救いの働きを、万軍の主の熱意が成し遂げます。
 主イエス・キリストを人生の中心に置いている人は、日々、平安と勝利を経験します。落胆することがあっても、さらに偉大な希望によって立ち上がります。主イエス・キリストによる偉大な人生の逆転を、日々経験していきましょう。