礼拝メッセージ(2021年6月6日)

『 助けられている 』 ルカによる福音書 9章:46~50節    林健一 牧師

 今日は先週からの続きで、49、50節を中心に読んでいきたいと思います。弟子たちの間での誰がいちばん偉いかという議論が起きました。主イエスは弟子たちに「あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である」と小ささ、謙遜さを求められました。今日のところでも主イエスは弟子たちに小ささ、謙遜さを求めておられます。弟子の一人であるヨハネが、「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちと一緒にあなたに従わないので、やめさせようとしました」と言ったのです。すると主イエスは、「やめさせてはならない。あなたがたに逆らわない者は、あなたがたの味方なのである」とお答えになりました。その人が「わたしたちと一緒にあなたに従わないので」、その業をやめさせようとしました。原文では「わたしたちと(弟子集団)とは一緒ではない、行動を共にしない、やり方も違う」というニュアンスです。自分たちと一緒に行動しない、ということが許せなかったのです。

 主イエスがヨハネをたしなめて、「やめさせてはならない。あなたがたに逆らわない者は、あなたがたの味方なのである(あなたがたのためになる)」主イエスが弟子たちに、そして私たちに求めておられるのは、自分とは違う仕方で主イエスに従い、仕えていく人の存在を受け入れることです。「反対しない者は味方である」という感覚を持つことです。それには当然、自分もその人のすることに反対しない、ということが必要です。そしてそれらのことの根本にあるのは、私たちは十字架にかかって死んで下さることによって私たちの罪を赦して下さった主イエス・キリストを信じ、その主イエスに従っていく者だということです。受け入れ難い罪人である私たちを受け入れて下さった神様の恵みに生きる私たちは、同じその主イエスによって神様が受け入れて下さった人々を、受け入れて、大切な仲間として共に歩むのです。私たちだけで福音宣教の働きを担うことはできません。私たちの知らないところで福音宣教の業を助けられているのです。それは私たちの信仰においても助けられているのです。主イエスの言葉は私たちに真の謙遜は何かを教えます。