礼拝メッセージ(2023年12月17日)
『 一緒に住む 』
石井努 牧師
ヨハネによる福音書 14章:15節~24節
15:ヨハネによる福音書/ 14章 15節
「あなたがたは、わたしを愛しているならば、わたしの掟を守る。
16:ヨハネによる福音書/ 14章 16節
わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。
17:ヨハネによる福音書/ 14章 17節
この方は、真理の霊である。世は、この霊を見ようとも知ろうともしないので、受け入れることができない。しかし、あなたがたはこの霊を知っている。この霊があなたがたと共におり、これからも、あなたがたの内にいるからである。
18:ヨハネによる福音書/ 14章 18節
わたしは、あなたがたをみなしごにはしておかない。あなたがたのところに戻って来る。
19:ヨハネによる福音書/ 14章 19節
しばらくすると、世はもうわたしを見なくなるが、あなたがたはわたしを見る。わたしが生きているので、あなたがたも生きることになる。
20:ヨハネによる福音書/ 14章 20節
かの日には、わたしが父の内におり、あなたがたがわたしの内におり、わたしもあなたがたの内にいることが、あなたがたに分かる。21:ヨハネによる福音書/ 14章 21節
ヨハネによる福音書 14章:15節~24節(新共同訳聖書)
わたしの掟を受け入れ、それを守る人は、わたしを愛する者である。わたしを愛する人は、わたしの父に愛される。わたしもその人を愛して、その人にわたし自身を現す。」
22:ヨハネによる福音書/ 14章 22節
イスカリオテでない方のユダが、「主よ、わたしたちには御自分を現そうとなさるのに、世にはそうなさらないのは、なぜでしょうか」と言った。
23:ヨハネによる福音書/ 14章 23節
イエスはこう答えて言われた。「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。
24:ヨハネによる福音書/ 14章 24節
わたしを愛さない者は、わたしの言葉を守らない。あなたがたが聞いている言葉はわたしのものではなく、わたしをお遣わしになった父のものである。
14章から16章はイエス様が十字架に向かわれる前に、最後の晩餐の時に弟子たちに語られた、告別説教として知られているところです。15節「あなたがたは、わたしを愛しているならば、わたしの掟を守る」。この掟とは、ヨハネによる福音書の代表的な聖句でもありますが、多くの皆さんが覚えておいででしょう。イエス様の新しい掟と小見出しの付いている13章、「あなたがたに、新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい、私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」このことであります。マタイによる福音書22章でも「隣人を自分のように愛しなさい」と記されています。
当時、ユダヤ教の律法には600以上の細かな規定がありました。ファリサイ派や律法学者たちはそれを守って生活をしていました。彼らは、「自分こそが法を守っている」という自負がありました。つまり、ファリサイ派や律法学者は、隣人を自分と同じように律法を忠実に守る者、同じ価値観を持つ者に限定していたのです。この人たちと対照的なのが、わたしたちのイエス様です。イエス様は、彼らの律法の枠からはみ出した罪人とされた人たちに寄り添いました。神から見放された者と言われた人たちを愛したのです。イエス様が「隣人を自分のように愛しなさい」と弟子たちに教えた時、ガリラヤで伝道を始めてから関わった人の顔を具体的に思い出していたのに違いありません。それは、彼ら指導者から罪人と排除された人たちの顔です。そういう人たちこそイエス様が愛してやまない、隣人としてかけがえのない大切な人に他ならないと語ったわけです。
「わたしは、あなたがたをみなし子にはしておかない。あなたがたのところに戻ってくる、しばらくすると、世はもう私を見なくなるが、あなたがたはわたしを見る。わたしが生きているので、あなたがたも生きることになる。かの日には、わたしが父の内におり、あなたがたがわたしの内におり、わたしもあなたがたの内にいることが、あなたがたに分かる。」この場合、みなし子にはしておかないと云うのは、文字通り親のない子にはしないと云うことです。見えなくなっても心配することはない、あなたがたを一人にはしない。そう仰るのです。あなたがたのところに戻ってくる。わたしたちを決してひとりにはしない。と約束してくださるのです。現在のわたしたちにとってイエス様は、歴史的に見れば過去の人です。2000年も前に救い主と言われた昔の人です。けれども、決してそうではありません。あなたがたをみなし子にはしておかない、あなたがたのところへ戻って来るとおっしゃったのです。ですからこれは、今現在のわたしたちの事柄なのです。イエス様は昔のお方ではなく今現在の救い主なのです。復活なさってわたしたちの所へ戻ってきているのです。この告別の説教は、信じるわたしたちに今語られているのです。