礼拝メッセージ(2024年3月10日)
『 真理に生きる 』
石井努 牧師
ヨハネによる福音書 18章:28節~38章

28:ヨハネによる福音書/ 18章 28節
人々は、イエスをカイアファのところから総督官邸に連れて行った。明け方であった。しかし、彼らは自分では官邸に入らなかった。汚れないで過越の食事をするためである。
29:ヨハネによる福音書/ 18章 29節
そこで、ピラトが彼らのところへ出て来て、「どういう罪でこの男を訴えるのか」と言った。
30:ヨハネによる福音書/ 18章 30節
彼らは答えて、「この男が悪いことをしていなかったら、あなたに引き渡しはしなかったでしょう」と言った。
31:ヨハネによる福音書/ 18章 31節
ピラトが、「あなたたちが引き取って、自分たちの律法に従って裁け」と言うと、ユダヤ人たちは、「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません」と言った。
32:ヨハネによる福音書/ 18章 32節
それは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、イエスの言われた言葉が実現するためであった。
33:ヨハネによる福音書/ 18章 33節
そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、「お前がユダヤ人の王なのか」と言った。
34:ヨハネによる福音書/ 18章 34節
イエスはお答えになった。「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」
35:ヨハネによる福音書/ 18章 35節
ピラトは言い返した。「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」
36:ヨハネによる福音書/ 18章 36節
イエスはお答えになった。「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」
37:ヨハネによる福音書/ 18章 37節
そこでピラトが、「それでは、やはり王なのか」と言うと、イエスはお答えになった。「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」
38:ヨハネによる福音書/ 18章 38節
ピラトは言った。「真理とは何か。」

ヨハネによる福音書 18章:28節~38章(新共同訳聖書)

     

 33そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、「お前がユダヤ人の王なのか」と言った。イエス様はお答えになりました。「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」 ピラトはさらにイエス様に聞きます。真理とは何か。けれど、ピラトは表向きに真理について聞くだけで、実は、何の興味もなかったのです。自分に火の粉が降りかからなければ良いだけのローマの官僚にとって「真理」は、大した問題ではありませんでした。ただ、どう処理するかが問題だったのです。


 その意味においては、イエス様を訴えたユダヤ人たちも同じことです。彼らには、イエス様を殺すこと以外に目を向けることはなかったのですから。しかし、その中心に据えられたイエス様だけが「真理」に目を向けるのです。というよりも、「わたしは道であり、真理であり、命である。」ヨハ14:6「それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。」このイエス様こそが「真理」そのものなのです。イエス様は、ご自身の王たる所以が誤解されないように「わたしの国は、この世に属していない」と答えられたのです。イエス様が世に来た目的は、政治的な革命のためではなく、ただ真理を証しするためにあった。言葉と業において、神の義を鮮明に示して、同時に神の愛を示すことにあった。「わたしの国はこの世に属していない」この言葉は、わたしたちがしっかりと受け取らなければならない言葉なのです。


 神様が苦渋の末に選び取った結論は、独り子イエス様に民たちの罪をすべて背負わせ、民たちの罪を赦すことであったのです。結果として祭司長やファリサイ人、そして総督ピラト、何よりも忘れてならないのは民衆たちが、その神の決断の業を進める事になったのです。紛れもなく、わたしたち人間が、自ら「十字架につけろ」と叫んだ張本人であったのです。そのように取り計られた神様が望まれたのは、贖われた罪を背負ってきたご自分の民たちが、この世に属していないと言われた神の国への帰還することにあったのです。現代において、贖いの十字架の愛を知ったわたしたちは、パウロの勧めるように神の子供としての本分を生きましょう。」ロマ12:9~139愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、 10兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。 11怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい。 12希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。 13聖なる者たちの貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすよう努めなさい。