礼拝メッセージ(2023年4月2日)
『 十字架の福音 』 石井努 牧師
ヨハネによる福音書 19章:16節b~30節

19章 16節b:こうして、彼らはイエスを引き取った。

19章 17節:イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。

19章 18節:そこで、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。

19章 19節:ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。

19章 20節:イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がその罪状書きを読んだ。それは、ヘブライ語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。

19章 21節:ユダヤ人の祭司長たちがピラトに、「『ユダヤ人の王』と書かず、『この男は「ユダヤ人の王」と自称した』と書いてください」と言った。

19章 22節:しかし、ピラトは、「わたしが書いたものは、書いたままにしておけ」と答えた。

19章 23節:兵士たちは、イエスを十字架につけてから、その服を取り、四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。

19章 24節:そこで、「これは裂かないで、だれのものになるか、くじ引きで決めよう」と話し合った。それは、/「彼らはわたしの服を分け合い、/わたしの衣服のことでくじを引いた」という聖書の言葉が実現するためであった。兵士たちはこのとおりにしたのである。

19章 25節:イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。

19章 26節:イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。

19章 27節:それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。

19章 28節:この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、「渇く」と言われた。こうして、聖書の言葉が実現した。

19章 29節:そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。

19章 30節:イエスは、このぶどう酒を受けると、「成し遂げられた」と言い、頭を垂れて息を引き取られた。

ヨハネによる福音書 19章:16節b~30節(新共同訳)

 人間は、アダムとエバが食べてはいけないと言われた園の実を食べて以来、神様に背を向ける性質を持つようになりました。これが罪の始まりです。キリスト教においての罪は神に背を向けることなのです。その結果、自分本位になって権力を求めたり、お金に執着するようになります。結局は自分から平安を逃すことになるのです。やがて、神様は人々にモーセを通じて律法を与えて律法を思うときには神を忘れないだろうと生きるようにされましたが、律法を守ることが救いの道であるとして律法主義に陥ってしまった。人間はその律法を神としてしまったのです。神様は、何とかご自身と人間の関係を父と子の関係に戻そうとされましたが人間は背中を向けるばかりなのです。

 神様は、それならば御自分の独り子を人間として人々の前に遣わして、姿を見せよう。真理に導こうとこの世に派遣されたのです。イエスさまの最後の使命が、人々が信じていた贖いの捧げ物として、その身代わりとして命を奉げることにありました。そうすることで神様の愛に気付くように計画されたのです。イエスさまは、わたしたちの罪を赦し、神との関係を取り戻させるために十字架に架かられたのです。

 そして、十字架の様子がわたしたちに語りかけてきます。マタイが記した十字架の様子には「イエス様が息を引き取られたとき、神殿のたれ幕が上から下まで真っ二つに裂けた」と記されています。これは、神と私たちとの間に遭った壁が取り払われたということです。十字架刑の苦痛の中であっても、イエスさまは御自分の足もとに立ちつくしている母マリアに「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です。」また愛する弟子に「見なさい。あなたの母です。」と二人を結び合わせています。このお姿は、イエスさまを神と信じるわたしたち一人一人へのメッセージです。わたしたちは、この世の法則に惑わされない神の国の家族なのだと言われているのです。あなたの隣にいる人はイエスさまがわたしたちと結び付けられた母であり、息子であり、兄であり妹なのです。このように神の国の家族として、神の愛の内に支え合って生きなさいと教えてくださっているのです。