礼拝メッセージ(2023年8月27日)『 主はひとつ、光もひとつ 』石井努 牧師ヨハネによる福音書 8章:21節~30節

21:ヨハネによる福音書/ 08章 21節
そこで、イエスはまた言われた。「わたしは去って行く。あなたたちはわたしを捜すだろう。だが、あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになる。わたしの行く所に、あなたたちは来ることができない。」
22:ヨハネによる福音書/ 08章 22節
ユダヤ人たちが、「『わたしの行く所に、あなたたちは来ることができない』と言っているが、自殺でもするつもりなのだろうか」と話していると、
23:ヨハネによる福音書/ 08章 23節
イエスは彼らに言われた。「あなたたちは下のものに属しているが、わたしは上のものに属している。あなたたちはこの世に属しているが、わたしはこの世に属していない。
24:ヨハネによる福音書/ 08章 24節
だから、あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになると、わたしは言ったのである。『わたしはある』ということを信じないならば、あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになる。」
25:ヨハネによる福音書/ 08章 25節
彼らが、「あなたは、いったい、どなたですか」と言うと、イエスは言われた。「それは初めから話しているではないか。
26:ヨハネによる福音書/ 08章 26節
あなたたちについては、言うべきこと、裁くべきことがたくさんある。しかし、わたしをお遣わしになった方は真実であり、わたしはその方から聞いたことを、世に向かって話している。」
27:ヨハネによる福音書/ 08章 27節
彼らは、イエスが御父について話しておられることを悟らなかった。
28:ヨハネによる福音書/ 08章 28節
そこで、イエスは言われた。「あなたたちは、人の子を上げたときに初めて、『わたしはある』ということ、また、わたしが、自分勝手には何もせず、ただ、父に教えられたとおりに話していることが分かるだろう。
29:ヨハネによる福音書/ 08章 29節
わたしをお遣わしになった方は、わたしと共にいてくださる。わたしをひとりにしてはおかれない。わたしは、いつもこの方の御心に適うことを行うからである。」
30:ヨハネによる福音書/ 08章 30節
これらのことを語られたとき、多くの人々がイエスを信じた。

新共同訳聖書

 「もしわたしが裁くとすれば、わたしの裁きは真実である。なぜならわたしはひとりではなく、わたしをお遣わしになった父と共にいるからである。」どうしても律法を盾に二人の証人をファリサイ派の人たちが求めるので、イエス様は、ご自身の証言とお遣わしになった天の父なる神様の証言とで十分に条件は満たされているではないか。と反論したのです。しかし、この反論は彼らには通用するものではありませんでした。彼らの目は、この世を見ているのですし、律法を裁きの道具にしてしまっていたのですから。方やイエス様には、神様から遣わされた、神の受肉であるご自身があったのですから、全く相いれない話であったわけです。

  モーセを通して与えられた律法とは、神がわたしたちに下さった、人間と人間同士がお互いに尊重し合い、愛し合うための戒め。ガラテヤ書(3:24)にあるパウロの言葉によれば、「律法は、わたしたちをキリストのもとへ導く養育係。」それは「人間が信仰によって義とされるため」だったのです。躓きの一つは。このように、彼らをイエス様のもとに導くはずの律法を、イエス様の自己証言を無効であると主張する根拠にしてしまったこと。 もう一つは、彼らが肉によって人を裁く者になってしまって、憎しみのそこには律法の精神すらなかったこと。

  ファリサイ派の人たちは、自分しか見ないから本当の事、真理が見えない。自分だけ勝とうとするから、人を押しのけてもその姿が見えない。自己主張が強く、自己弁護を図るから、他者に対しての愛がないし冷たく暗くなるのです。と非難してみました。けれど、もし人間に自分や自己がなければ、子供の成長に必要な自我の目覚めや自己確立、自己の成長もなくなるでしょう。神様は人間を創造なさったときに、人間に自己を持つ性質を持たせてくださっているのです。問題は、自己を持つことや自己主張がいけないのではなく、「自分だけになること」「自分本位になること」なのです。そうではなく、神と一緒にいる自分、神と共に生きる自分であったなら、それは素敵なことです。

 イエス様はこの後、神様のご計画の通り十字架に向かっていくことを承知されていたのでしょう。イエス様は初めから、ずっと言っておられたのです。「あなたたちは下のものに属しているが、わたしは上のものに属している。あなたたちは、この世に属しているが、わたしはこの世に属していない。」「あなたたちについては、言うべきこと、裁くべきことがたくさんある。しかし、わたしをお遣わしになった方は真実であり、わたしはその方から聞いたことを、世に向かって話している。」 イエス様は父への服従をとおして天におられる神様と一つだということです。この真実に気が付きなさいと言っておられるのです。イエス様とお話をされる神様は、イエス様を通してわたしたちともお話をされるのです。そして、イエス様の遣わしてくださった聖霊もまた、わたしたちに語り掛けてくださるのです。