礼拝メッセージ(2021年1月10日)

『 神の国の秘密 』 ルカによる福音書 8章:4~10節  林健一 牧師

神の国を体験する…コロナが私たちに伝えるもの

①神の国の秘密を語られるイエスさま
 「イエスはたとえを用いてお話になった」(4)

 イエスさまの宣教は「神の国」を人々に伝えることでした。今日もイエスさまはこの世界に「神の国」を伝えています。イエスさまは集まってきた人々、弟子たちにたとえ(パラボレー:傍らに投げつける)をとおして神の国を語ります。神の国を教えると同時に神の国を表したのです。今日の箇所では当時の人々にとっては身近な「種蒔きのたとえ」を語ります。土に蒔かれた種がどうなるのか?そしてイエスさまのお話を人々はどう聞いたのでしょうか?それぞれの土に蒔かれた種がどうなるのか。イメージできます。イエスさまが語る神の国は私たちにとって身近であり体験できるものです。それは体験しなければ神の国は理解できないものだということをイエスさまは教えられます。

②イエスは…「聞く耳のある者は聞きなさい」と大声で言われた。(8)
 イエスさまはたとえを話されたあとに、「聞く耳のある者は聞きなさい」と聞いていた人々に向かって大声で言われました。「大声で言われた」これは「叫び続けた」です。イエスさまは人々に向かって繰り返し「叫び続けていた」、あるいは、繰り返し「呼びかけていた」「招き続けていた」というニュアンスで神の国について人々に叫び続けていたのです。イエスさまは私たちに叫び続けています。神の国に入るよう呼びかけています。招き続けています。神の国を知るために私たちはイエスさまの叫びに答えるだけでいいのです。神の国の祝福と平安をいただくために私たち自身を神の国に持っていけばいいのです。  

③弟子たちは、このたとえはどんな意味かと尋ねた(9)
 イエスさまは神の国を知りたいなら「聞く耳のある者は聞きなさい」と言われます。正確には「聞き続けなさい」ということです。神の国の秘密を知りたいなら私たちはイエスさまに聞き続けなければ秘密を知ることはできません。「秘密」とはギリシャ語で「ムステーリオン」隠されていること、神の秘められたご計画を意味します。神さまが隠しているのですから人間がどんなに考えても神さまのことを知ることはできないのです。謙虚になって求めるしかないのです。弟子たちはイエスさまが言われたようにたとえについて尋ね続けるのです。門をたたき続けるのです。自分で考えないのです。私たちも神の国、イエスさまが語られることについて尋ね続けていきましょう。
 尋ね続ける弟子たちにイエスさまは「あなたがたには神の国の秘密を悟ることが許されている」(10)「許されている」これは本来「与える」「与えられている」という意味です。私たちがイエスさまに尋ね求めるなら神の国の秘密を知ることがいつでも与えられているのです。