礼拝メッセージ(2021年7月4日)

『 収穫の主に願いなさい 』 ルカによる福音書 10章:1~7節   林健一 牧師

 さて、本日のルカによる福音書ですが、イエスさまが72人の弟子たちを派遣なさるという場面です。9章の始めに、イエスさまが12使徒を派遣したということがありましたので、イエスさまはそれとは別にここでまた他の72人の弟子たちを派遣されたということになります。1節にイエスさまが「ご自分が行くつもりのすべての町や村に」先に遣わしたと書かれています。すなわち、先に72人の弟子たちを2人ずつペアで派遣して、その次にその弟子たちが派遣されたところにイエスさまが実際に出向かれるということです。これはすごいことだと思います。イエスさま、まさに隅々まで、一つの町や村まで残らずに回られる。1人も福音を聞くことから漏れないように、というような気持ちが伝わってまいります。現代においても福音を聞かない者は一人もいないということを私たちは信じていいのです。イエスさまが福音を宣べ伝えてくださるのです。そのことを私たちは信じて福音を証ししていくのです。

 2節には、「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい」というイエスさまのお言葉があります。これはイエスさまが私たちを伝道へと派遣するに当って与えて下さっているすばらしい約束の言葉です。イエスさまはここで先ず、「収穫は多い」と断言して下さっています。私たちがイエスさまの先駆けとして遣わされて神さまの救いの恵みを証しする時、そこには豊かな収穫が約束されているのです。

 「自分は収穫のための働き手だ。神さまが実らせて下さったものを収穫するのが自分の使命なのだ」ということをわきまえている者が少なく、むしろ何から何まで自分でして、自分で収穫を多く得なければならない、と思っている者が多いのです。ですから収穫のために働き手が送られるといのは、牧師、伝道者の数が増えることではなくて、神さまが恵みによって豊かな実りを既に備えて下さっていることを信じて、自分が育てたのではない実りを感謝しつつ集める、という思いを持っている者の数が増えていくことなのです。そのことによってこそ、「収穫は多い」という約束が実現していくのです。