礼拝メッセージ(2021年1月31日)

『 イエスさまの母と兄弟 』 ルカによる福音書 8章:19~21節  林健一 牧師

 今日の聖書箇所には主イエスの母マリアと兄弟たちが登場します。マタイ、マルコでは人々から主イエスの噂を聞いた家族が心配して訪ねてくる様子が描かれています。主イエスの兄弟たちの中には後に使徒言行録、ヤコブの手紙を書いた、主イエスの弟ヤコブもいます。ヤコブは使徒15章での使徒会議において福音(神の救い)が異邦人にも与えられている。異邦人また世界への伝道の扉を開けた人物でもありました。ユダヤ人(神の選びの民)でありながら、そこに固執することなく福音の恵みに生きた人でした。

 ヤコブはなぜ福音の恵みを十分に受けることが出来たのでしょうか?今日の主イエスの語れた言葉に秘密があります。19節には主イエスに会いに来た母マリアと兄弟たちが、群衆に阻まれて近づくことが出来なかったとあります。主イエスの家族が来たことを知ったある人たちが母マリアと兄弟たちが外で待っていることを伝えます(20)。当時のユダヤ社会では両親を敬うこと、血縁を何よりも大切にしてきました。人々は当然主イエスが話を中断して会いに行くものだと思っていました。

 ところが主イエスは人々に向かってこう答えます。「わたしの母、わたしの兄弟たちとは、神の言葉を聞いて行う人たちのことである」(21)。主イエスは肉親の家族を否定されたのでしょうか?そうではないのです。群衆、また主イエスの言葉を聞いている私たちに真の「神の家族」について教えようとされるのです。父なる神、主イエスにとって家族とは誰なのか?主イエスはまず第一に「神の言葉」を「聴く」こと、そして第二に「行う」者こそが、父なる神の家族であると言われたのです。

 主イエスは私たちに「神の言葉を聞いて行うなら誰であっても私に近づくことができ親しくなる。」と言われるのです。神の御言葉を聞くことができた人たち、その人たちとは主イエスの人格を通して呼びかけてくださったことを心の中心にしっかり聞くことができた人々です。それによって、主イエスの十字架の恵みの御支配のなかに導きいれられたのです。主イエスの「あなたも神の家族になろうよ」という呼びかけに私たちはどう答えることができるのでしょうか。