礼拝メッセージ(2021年11月14日)

『 雀よりもまさる』  林健一 牧師

とかくするうちに、数えきれないほどの群衆が集まって来て、足を踏み合うほどになった。イエスは、まず弟子たちに話し始められた。「ファリサイ派の人々のパン種に注意しなさい。それは偽善である。

覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはない。

だから、あなたがたが暗闇で言ったことはみな、明るみで聞かれ、奥の間で耳にささやいたことは、屋根の上で言い広められる。」

「友人であるあなたがたに言っておく。体を殺しても、その後、それ以上何もできない者どもを恐れてはならない。

だれを恐れるべきか、教えよう。それは、殺した後で、地獄に投げ込む権威を持っている方だ。そうだ。言っておくが、この方を恐れなさい。

五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神がお忘れになるようなことはない。

それどころか、あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」

ルカによる福音書 12章:1節~7節(新共同訳)
 
 大勢の群衆が集まって来ているところで、イエスさまは弟子たちに1節「ファリサイ派の人々のパン種に注意しなさい。それは偽善である」と話しを始められました。パン種とはパンをふっくらと焼き上げるためになくてはならないイースト菌のことですが、 ここでは悪い比喩で用いられています。僅かなパン種がパンをあのように膨らませるようにあなたがたの中に僅かでもファリサイ派の人々の間違った生き方が混ざり込んだらあなたたちも同じようになってしまうと言われるのです。 わずかなもので全体にあたえる影響は大きいのです。
 私たちの内にいただいた福音を隠すのでなくきちんと言い表しなさ。それこそ偽善・演技をしないで内にある福音を表す生き方をしなさいとイエスさまは言われます。2節「覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはない。」3節「だから、あなたがたが暗闇で言ったことはみな、明るみで聞かれ、奥の間で耳にささやいたことは、屋根の上で言い広められる」

 福音があなたの内に持っていながら周囲を恐れ周囲にあわせて自分を偽って演技をしていることもイエスさまから言わせればファリサイ派のパン種に支配されていると同じことでしょう。

 イエスさまは「恐れるな」と弟子たちに言われます。6~7節「五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神がお忘れになるようなことはない。それどころか、あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」一羽では値段もつかない小さな雀さえも神さまがお忘れにはなりません。櫛で梳かせばもうそれだけで何本か抜け落ちてしまうような髪の毛といった私たちの気づかないところまでご配慮くださる神さまがおられます。

 このような神様のまなざしの中で生かされている。 人間のどんな鋭い目よりももっと確かにすべてを見通しておられる神の目が注がれています。人々のどんなにうるさい口よりも確かな神さまの赦しの宣言があります。私たちの内なる思いを確かに聞きとどけてくださる神さまがおられます。