礼拝メッセージ(2021年12月5日)

『 ただ、神の国を求めよ』  林健一 牧師

ルカによる福音書 12章:22節~31節(新共同訳)

12章22節:それから、イエスは弟子たちに言われた。「だから、言っておく。命のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな。

12章23節:命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切だ。

12章24節:烏のことを考えてみなさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、納屋も倉も持たない。だが、神は烏を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりもどれほど価値があることか。

12章25節:あなたがたのうちのだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。

12章26節:こんなごく小さな事さえできないのに、なぜ、ほかの事まで思い悩むのか。

12章27節:野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。働きもせず紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。

12章28節:今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことである。信仰の薄い者たちよ。

12章29節:あなたがたも、何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。

12章30節:それはみな、世の異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの父は、これらのものがあなたがたに必要なことをご存じである。

12章31節:ただ、神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる。


22節 それから、イエスは弟子たちに言われた。「だから、言っておく。命(プシュケー)のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな。
23節 命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切だ。
 イエスさまは弟子たちに言われました。食べ物がいのちを生かすのではない、着るものがからだをつくりあげるのではない。いのちとからだがあればこそ食べることができ、着飾ることができるのだ。私たちは日々、食べ物のことについてあれが健康にいい、着る物についても多くの時間をかけています。それが私たちのいのちとからだを豊かにするのだと思うのです。しかし、イエスさまの言葉を聴くならば食べ物と着る物のことで私たちは思いわずらい、いのちとからだを苦しめているのです。命(プシュケー)(20)を生かしているのは、食べ物、着る物のまえに神さまであることを知らなければいけないのです。でなければあなたは本当の豊かさを知らずに人生を送ることになるのです。

 イエスさまは弟子たちに神の国を求めることを、まず第一にしなさいと言われます。そこからいのちとからだを生かす祝福をいただくことができるのだと約束されたのです。「神の国」とはすでに実現し、完成に向っている「神のご支配」を意味します。それを「求める」とはどういうことか?「神の国を(捜し)求める」とは、「神の国のために一生懸命働く」とか「神から課せられた義務を果たすことに心を集中せよ」というような意味ではなく、すでにある神さまの御業に思いを向け、また同時に、これから実現する神さまの救いのご計画に思いを向ける、期待することでもあります。「そうすれば、これらのものは加えて与えられる。」(31)とは、神の国を求めていくなかで食べ物や着る物は、神さまがあなたに与えられるという約束です。 私たちにとって大切なことは神さまとの生きた交わりを体験することです。ただ、「私のような信仰の薄い者は・・・」と心配する人を大丈夫だと励ますためにイエスさまは神の国を求めるときにあなたの人生に神さまは必要な物、すべてを与えてくださると約束してくださっているのです。