礼拝メッセージ(2020年11月15日)

『 神の国に入る 』  ルカによる福音書 7章:24~28節 林健一 牧師

神の国に入るには
 イスラエルに行ったときの話しです。イスラエルに入国する際、ツアーガイドの方にイスラエルは入国審査が世界で最も厳しい国です。といわれ緊張して入国手続きしをしました。無事審査が通ってイスラエルに入国できました。入国する際に私の顔写真が写っているカードを渡されました。カードを持っていないと皆さんの保障ができませんので大切に持っていてください。と言われました。この小さなカードカードがイスラエルという国にいていいよ、と私の証明になるのです。では、私たちが今、神の国に入っていいよ、いていいよという証明書は何でしょうか?

なぜ、神の国に入りたいのですか?
 イスラエルに入国するとき手続きのために書類に名前を書きます。その証明書には英語でしたでしょうか。何て書いてあるのかさっぱりわかりませんがガイドの方から「イスラエルに入国する目的は何ですか?」「イスラエルで何をするんですか?」そういう質問が書いてあります。と説明されました。でも今日の説教のテーマの話しでもあるのかなと思うのです。決して難しい質問ではありません。「イスラエルに来た目的は何ですか?」「あなたはイスラエルで何をするのですか?」この二点です。私はこのこう答えるわけです。「観光に来ました。」答えも単純です。
 では、私たちは父なる神さまに「あなたが神の国に入る、来た目的は何ですか?」「神の国、私の国であなたは何をするのですか?したいのですか?」との質問にあなたは何と答えますか。

「あなたがたは何を見に荒れ野へ行ったのか。」(7:24)
 これは、群衆に向けての主イエス様の質問です。しかし、ここにいる私たちとこの群衆は同じだと思うのです。何が同じかというと主イエス様が現れる前は、群衆はバプテスマのヨハネのところへ行き、悔い改めの説教を聞きました。

「では、わたしたちはどうすればよいのですか」(3:10)
 バプテスマのヨハネの説教を聞いた群衆の心には父なる神様の裁きへの恐れとどうしたら父なる神様の怒りから赦されるか、救われるかの思いがあったでしょう。そして懸命にバプテスマのヨハネに神の国に入るにはどうしたらいいのか?求めたことでしょう。この後、バプテスマのヨハネが牢獄に捕らえられてからは群衆は主イエス様のほうへ向かうのです。主イエス様の言葉や愛、優しさなどは当時の支配者たちによる圧制によって疲れ、打ちひしがれていた群衆を慰め、生かしたことでしょう。しかし、それだけです。主イエス様が自分たちの前からいなくなればまた恐れと不安が彼らを襲ってくるのです。私たちもそうではないでしょうか?

神の国に生きる 神の愛に生きる
 「言っておくが、およそ女から生まれた者のうち、ヨハネより偉大な者はいない。しかし、神の国で最も小さな者でも、彼よりは偉大である。」(7:28)
イエス様はそんな群衆、私たちに向かって神の国に入りなさい。神の国を求めなさい。と言われます。神の国に入ることこそ永遠に失われることのない平安を得ることができる唯一の道だと言われます。バプテスマのヨハネはすばらしい働きをした。そしてあなたがたは私をとおして福音の業と恵みを見ている。確かにすばらしいことだと。しかし重要なことはあなたがたが神の国に入り、神の恵みと支配のなかで喜びと感謝をもって生きることだと主イエス・キリストは言われるのです。